空想的社会主義

エンゲルスがマルクスの社会主義思想を科学的社会主義と呼び、それと対比してそれ以前の社会主義思想を空想的社会主義と呼んでから、この語が一般に使われるようになりましたが、その内容は必ずしも明白ではありません。しかし一般には19世紀初頭の社会主義思想、特にロバート・オーウェン、サン・シモン、シヤルル・フリーリエらにより代表されるような社会主義思想を言います。彼らの間でも内容は統一されていませんが、強いて共通点をあげれば、ヒューマニズムの観点に立って、末来の理想社会を描いて提示したことです。彼らが現存社会を科学的に分析しなかったという意味ではたしかに空想的であり、マルクスは彼なりの科学的方法で資本主義の分析を行なっていますが、マルクスの学説も今日からいうと必ずしも科学的とは言えません。何よりも社会主義がぴとつのイデオロギーであり運動であって、価値判断を含んでいる以上、経験科学と同じ意味では科学的ではあり得ませんでした。

社会主義とお金

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