フェビアン主義

フェビアン主義とは１８８４年に創立されたイギリスの民主的社会主義者達の集りであるフェビアン協会が展開した民主社会主義の理論を言います。協会の代表者はシドニー・ウェッブ夫妻や、バーナード・ショーなどです。フェビアンという名前はハンニバルとの戦いを巧みに回避したことで有名なローマの将軍ファビウスにちなんでいます。フェビアンに集った民主社会主義者達は、社会主義社会の実現という大目的を暴力革命などによって一気に実現しようとする考え方を退け、ファビウスの故事にならって漸進的に議会制民主主義の方法により、最も能率的に社会主義へ進もうと考えました。フェビアン協会は労働組合会議、独立労働党とともにイギリス労働党の創立に参加し、労働党をトレード・ユニオニズム労働組合主義から民主社会主義へ脱皮させることによって力がありました。この意味でフェビアン主義は今日の民主社会主義の一つの源流であると言えます。