右派左派

社会思想及び社会運動上では頻繁に右翼と左翼という語が使われますが、その意味は必ずしも明白ではありません。フランス大革命の析、立法議会で議長席より見て左側に急進派が座り、右側に保守派が座ったとき以来、左は進歩ないし革新的なものを現し、右は現状維持ないし復古的なものを言うようになりました。19世紀におけるようになお民主主義が実現されず、資本主義の弊害が顕署な時代においては、人民主権の民主主義を実現し、経済的にも資本主義を克服するのを左翼と呼び、同じ左翼の中でもその改革内容が徹底的であり、その方法が過激であるほうが、より左派であると見なされ、左であればある程大衆の情緒的支持を受けてきました。しかし、近年のように左翼の中が多元化し、共産主義陣営内でも分裂が起ってくると、何が革新であるかは必ずしも明白ではありません。例えば工業化を進め生産性を高あることを左といえば、中国共産党の行き方は必ずしも左とはいえず、民主主義の進展という点からいえば、スターリン統治の共産主義はむしろ右といえます。社会民主主義と言われた時代の社会主義陣営の中にも、右派と左派があり、共産主義に近い方を左派と言っていましたが、ソ連の実情が示すように、共産主義そのものが必ずしも進歩を意味しなくなった時代には、単に右とか左とかのレッテルで考えるのでなく、その内容で何が進歩であるかを考え直さねばなりませんでした。

社会主義とお金

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